インド史

国家:インド亜大陸での国家形成 ― 抽象化でまとまる社会

インダス文明という高度な都市文明が紀元前1900年頃に衰退した後、インド亜大陸は一見すると文明が後退したように見えます。整然とした都市計画や排水システムは姿を消し、人々は小規模な農村共同体へと分散していきました。しかし、これは単なる衰退では...
インド史

初期国家:インダス文明は「不安」を「秩序」に変えた最初の実験だった

前回はインド亜大陸における部族社会の誕生を取り上げました。今回は、その次の段階である初期国家(インダス文明期)を見ていきます。初期国家は、単なる人口増によって生まれたものではありません。人類は「不安」と、それを「コントロールしたいという欲求...
インド史

部族社会:インド亜大陸での農業革命と定住化

歴史を振り返るとき、私たちは「農耕が始まり、文明が誕生した」という事実を、あたかも予定調和のステップのように捉えがちです。 しかし、その背後には、当時の人々が直面した凄まじい生存への「不安」と、それを克服しようとする執念とも言える「コントロ...
インド史

バンド社会:インド亜大陸での人類の出発点

私たちが思い描くインドは、壮麗な寺院や深遠な宗教思想、あるいは高度に発達した都市文明かもしれません。しかし、そのはるか以前、人々は国家も都市も持たず、ごく小さな集団で自然の中を移動しながら暮らしていました。今回は、その最も古い社会形態である...
中東史

中東のこれから:中東は「信仰と近代」を乗り越えられるのか?

なぜ中東では紛争が絶えないのでしょうか。ニュースではしばしば、宗派対立、民族問題、大国の介入などがその理由として挙げられます。もちろんそれらは重要な要因です。しかし、それだけでは中東という地域の本質は見えてきません。中東は、アジア・アフリカ...
中東史

中東の現在3:なぜ中東に平和は訪れないのか?

ニュースを見ていると「中東=戦争」というイメージを抱く人も多いのではないでしょうか?戦争・紛争・テロ・独裁…中東が抱える混迷を理解するためには、ニュースの断片を追うだけでは不十分で、「イスラーム共同体の崩壊」と「西欧思想の強制流入」という視...
中東史

中東の現在2:米国覇権を支えた「ペトロダラー体制」

前回、第一次世界大戦後に英仏が引いた「人工的な国境線」が中東に歪みを残したことを解説しましたが、中東の現在を理解するには、もう一つ避けて通れない要素があります。それが「石油」です。石油は、現代社会を動かす基幹的エネルギーであり、供給が止まれ...
中東史

中東の現在1:アメリカ発世界秩序とイスラム世界との摩擦

前回は、第一次世界大戦を契機とした西欧列強による中東分割と、英仏の国益によって恣意的に引かれた国境線が「人工国家」を生み出した経緯を解説しました。今回は、第二次世界大戦後にアメリカによって構築された世界秩序が、中東にどのような影響を与えたの...
中東史

中東史の帝国再編2:列強が引いた国境線と「人工国家」の悲劇

もともと中東には、オスマン帝国やサファヴィー朝という巨大な傘の下で、宗派や部族が緩やかに共存する多層的な秩序が存在していました。そこには厳密な国境線はなく、地域の多様性を包み込む柔軟な余白がありました。しかし18世紀末から20世紀初頭にかけ...
中東史

中東史の帝国再編1:イスラーム世界はなぜ「国境」を必要としなかったのか

人類の歴史は、「不安」を「コントロール」する手段として、権威・権力・民衆の三層構造からなる「社会」を構築してきた物語です。今回から二回にわたり、「中東史の帝国再編」と題して、欧米列強が生み出した帝国主義が中東社会にどのような影響を及ぼしたの...